アジア発のマルチ・クラブ・オーナーシップを進める『ACAフットボール・パートナーズ』CEO小野寛幸インタビュー#3「元日本代表・槙野智章選手も驚いた設備と指導。チャールトンに資本参加した理由」の画像
RISING STARシンガポール発表記者会見の小野寛幸氏。パートナークラブであるアルビレックス新潟シンガポールと共同で、シンガポールの若い世代に、欧 州サッカー挑戦というインターンシップの機会を提供した。 (C)Albirex Niigata FC

 現在、世界中のトレンドとなっているマルチ・クラブ・オーナーシップ(MCO)。同じオーナーが異なる地域やリーグに所属するクラブを複数所有し、経営することで、さまざまなプラスαの効果を上げるビジネスモデルだが、それをアジア発という新しい取り組みでけん引するのが『ACAフットボール・パートナーズ』だ。
 そのCEOを務める小野寛幸氏に直撃インタビューを敢行。#3では、スポーツ専門の動画ストリーミングサービス『DAZN』番組に共演した際に、元日本代表の槙野智章も驚いたというトレーニング施設と、今年、資本参加したイングランドのクラブについて語ってもらった。

槙野智章さんも「すごい!」と驚いたトレーニング

――♯2でお話しされていた「若手選手が持続的に強化できる環境づくり」について、具体的なお話を聞かせてください。

 少し前に、『DAZN』の番組で、元サッカー日本代表の槙野智章さんにお会いする機会があったんですが、槙野さんは、KMSKデインズのトレーニングの映像を見て、「すごい!」「ベルギーの2部って、ここまでやっているんですか」と、驚いてくれたんです。これは、とてもうれしかったですね。

デインズトレーニングルーム。バースペースだった施設を改装し、最新のトレーニング機器を導入。ベルギー国内においてトップレベルの環境が整えられた。
(C)KMSK Deinze

 また、先述の、今年に獲得したシンガポールとインドネシアの選手も、最初は移籍に乗り気ではなかったんですが、見学に来て、この場所なら何かが得られそうだという期待感を持ってくれて、大逆転勝利で獲得できたんです。そういったヤル気のある選手が、ちゃんと計算して来てくれる。そういう場を作ろうと、トレーニング施設や指導の充実を、特に意識していますね。

――槙野さんが驚いたトレーニングとは?

 私たちが着手したのは、最新の機材の導入だけでなく、最新の機材を正しく使えるテクニカルコーチを招へいしたこと。ストレングス&コンディショニング部門を新設し、そこでは、ケガの未病と予防、リハビリプロセスの効率化、そして、選手ひとりひとりに合わせたオーダーメイドのトレーニングを組むといった取り組みをしています。より具体的に言えば、たとえば、ウエイトトレーニングは、従来の重りではなくて、遠心力による負荷をかけて、ケガを防ぎ、より自然に筋肉がつくような機材を導入しています。 

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