【J2「球際」】MF乾貴士の「完璧コントロール弾」今季初ゴールも清水エスパルス、守備崩壊でV・ファーレン長崎に惨敗 露見したリスク管理の甘さ【戸塚啓のJ2のミカタ】(2)の画像
MF乾貴士のゴールは完璧だったが…  撮影/中地拓也
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■清水は相手の術中にハマった

「超攻撃的」が崩れた。

 J2リーグ第3節が3月9日、10日に行なわれ、開幕2連勝の清水エスパルスV・ファーレン長崎とのアウェイゲームに臨んだ。

 秋葉忠宏監督が昨シーズンに続いて「超攻撃的」、「超アグレッシブ」のスタイルを掲げる清水は、DFラインに変更があった。右SB原輝綺がメンバー外となり、DF北爪健吾が入る。さらに、開幕から2試合連続スタメンのCB住吉ジェラニレショーンが控えとなり、CB高橋祐治が初先発となった。

 北爪も高橋も経験豊富だ。試合の流れにはスムーズに入っていっただろう。ただ、試合は清水の思惑どおりに進まない。

 0対0で迎えた25分、相手右SBの縦パスを左SB山原怜音が処理しきれず、MF増山朝陽に蹴り込まれてしまう。GK権田修一の飛び出しも、結果的に中途半端なものとなってしまった。

 30分にも1本の縦パスから追加点を奪われる。攻から守への切り替わりで相手に先行され、両CBが背後を取られた。GK権田のクリアで一度はしのいだものの、セカンドボールを拾われてFWエジガル・ジュニオに蹴り込まれた。

 長崎の下平隆宏監督は、「清水は最終ラインが高いということで、背後を狙っていこうとした」と言う。清水はポゼッション時に全体が押し上げ、重心はかなり前になる。その背後を的確に突いてきた長崎の狙いは評価されるべきだが、清水からすればカウンターを受けるリスクは想定できたはずだ。縦パスを蹴らせないリスク管理が緩く、縦パスを受けた選手への対応も甘かった、と言わざるを得ない。

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