■乾の今季初弾で1点差に迫るも
0対2というスコアでは、次の1点が大きな意味を持つ。追いかける清水からすれば、1点差に詰め寄ることで試合の流れを持ってくることができる。
55分、MF乾貴士が決めた。ペナルティエリア右角付近でパスを受けると、相手が間合いを詰めてこないことを見越して左足へ持ち替え、ゴール左スミへ正確に流し込んだ。力みのないフォームから、狙いすました一撃を決めてみせた。さすがの今シーズン初ゴールである。
ここからの時間帯が、この試合のポイントだった。清水はオープンプレーとセットプレーから相手ゴールへ迫り、敵陣で即時奪回して攻撃を続けていく。「超攻撃的」にふさわしい試合運びで押し込んでいったが、66分にCKからエジガルに決められてしまった。これで試合は決した。85分にもダメ押し点を献上し、J2ではクラブワーストとなる4失点を喫して敗れたのである。
この日の長崎は、昨シーズンJ2得点王のフアンマ・デルガドをベンチに置き、リーグ戦初先発のエジガルを先発させた。エジガルは2得点を決め、下平監督の期待に応えた。途中出場のマルコス・ギリェルメも、4点目をゲットした。
一方の清水は、昨シーズン15ゴールのカルリーニョス・ジュニオが、3試合を終えて無得点だ。新外国人のFWルーカス・ブラガも、途中出場でインパクトを残せていない。J2では高いレベルの「個」を揃えているが、チームとしての機能性に物足りなさがある。
試合後の秋葉監督は「ここでズルズルいってしまうのか、それともしっかりとリバウンドメンタリティを見せて、(次の)ホームで連敗を止められるのか。大事なゲームになる」と厳しい表情で話した。その次節は、ここまで1勝2分の大分トリニータと対戦する。さらに翌節は、ジェフユナイテッド千葉とのアウェイゲームだ。J1昇格候補との大事な連戦となる。
シーズン序盤にして、清水の胆力が問われる。