【J2「球際」】ベガルタ仙台、MF相良の芸術的ループでホーム開幕戦ウノゼロ勝利 森山監督「宮城、仙台で必要とされ、応援されるクラブとなる」ための変身【戸塚啓のJ2のミカタ】(1)の画像
見事なループシュートを決めた仙台MF相良竜之介  撮影/中地拓也

■ホーム開幕戦の仙台はロングボールを使い…

 勝つために、やるべきことをやる。

 J2リーグ第3節が3月9日、10日に開催され、ベガルタ仙台水戸ホーリーホックをホームに迎えた。前U-17日本代表指揮官の森山佳郎監督とともに戦う仙台は、アウェイ連戦で勝点4を持ち帰り、ホーム開幕戦を迎えている。

 試合前には黙とうが行なわれた。2011年に発生した東日本大震災と令和6年能登半島地震で、犠牲になった方々と被害に遭われた方々へ祈りを捧げ、勝利を誓った。

写真/筆者

 前半の仙台は縦パスを意図的に使った。中盤を経由したビルドアップではなく、DFラインから前線へボールを供給していった。水戸のハイプレスを回避するためである。

 4-4-2のシステムで最前線に入るFWエロンは、176センチのサイズだ。それでも、相手CBとの制空権争いで奮闘し、簡単には競り負けない。相手に跳ね返されたとしても、エロンの後方に位置するMF中島元彦、ダブルボランチのMF工藤蒼生とMF長澤和輝がセカンドボールの回収に走った。

 右MFのオナイウ情滋にもロングボールを集め、フィフティー・フィフティーのボールを彼が収めると、縦への推進力が生かされる。オナイウがクロスやフィニッシュへ持ち込めなくても、敵陣深くでスローインを得ればチャンスになる。右SB高田椋汰、左SB岩尾陸登は、ロングスローの担い手だ。今シーズンの仙台が手にした新たな武器のひとつである。

 前半の仙台は3本のシュートにとどまっているが、水戸にも2本しか打たせていない。相手にペースを握らせることはなく、ハーフタイムを迎えた。

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