3月18日のサッカー日本代表の合宿初日の練習で、ピッチの様子を室内で調整しながら見ていた一人が板倉滉だった。今年行われたアジアカップでは悔しい思いをしたチームの中でも、ひと際その気持ちを強くしたであろう選手だ。
2月3日に行われたアジアカップの準々決勝でイランと対戦した森保ジャパンは守田英正の得点で先制点を奪ったものの、相手のロングボール攻撃に手を焼く。シンプルだが日本の弱点である空中戦を徹底的に強いられたことで、その後、同点に追いつかれる。そして終了間際には痛恨のPKを与えてしまう。ペナルティエリア内で相手選手を板倉が倒してしまったのだ。
「僕自身、非常に危機感を持って帰ってきてますし、アジアカップで苦しい悔しい思いをしたので、あれがあって良かったなと、あの経験があって良かったなと思えるように常に意識してやってます」
板倉はあの日からのことをこう言葉にする。そして、「もちろん、みんなに申し訳ないという思いは常に持ってますけど」と話し、次のように続ける。
「ただ毎日、次の日が来るわけで、立ち止まるわけにはいかないというか、前に進まないといけない。あの経験があって良かったなと思える、そんなキャリアを歩んでいきたいなと思ったので。切り替え自体はすぐできましたし、帰ってすぐに試合もあったので、本当にもう目の前の試合に集中してというところでやってました」