■「どこにズレができるか共通認識がまだ完全にできあがっていない」
キャンプからヘグモ式の4-3-3に取り組んできたが、攻撃面を機能させるためのヒントを小泉は口にする。
「(この試合)特に左サイドは数的優位を使って松尾選手の裏や自分が裏に抜けたり突破するシーンは幾つかあったので、その数を増やしたい。このサッカーをやるのであれば、チーム戦術もそうですけど、個人の技術のところでズレを見逃さないこと、また自分でズレを作らないと攻撃で効果的なプレーは出しづらい」。そして「どこにズレができるか共通認識がまだ完全にできあがっていない」と続けた。
ペア・マティアス・ヘグモ監督は、“インサイドハーフの裏抜けとウイングも背後に抜けていく”この2点の指示を与えると同時に中盤の構成を変え後半のピッチに送り出す。徐々にではあるが両サイドがスペースに抜ける場面を作り出していくと、61分にはFW興梠慎三、MF岩尾憲、DF大畑歩夢の3枚を送り込む。
しかしアタッキングサードへ入る回数こそ増えたが決定機とまではいかず、それでも勝点3を目指す浦和は89分、ボックス内で大畑が倒されてPKを獲得。DFアレクサンダー・ショルツがきっちりと左隅に決めて同点に追いついたが、これ以上スコアは動かず試合は終了した。
2節を終え、連勝したチームがない中で、勝点1を拾えたことは浦和にとってプラス材料だ。
戦術的部分と共通認識を高め勝利のために必要なプレーを出せるか。次戦までの準備期間を無駄にはできない。
(取材・文/石田達也)
(後編へ続く)