■「最後は逆転できそうな雰囲気もあった。そういう力強さは出せた」
山田を含めて一挙に4人が投入された82分を境に、川崎はいつもとは違った布陣で猛攻を仕掛けた。キャプテンのMF脇坂泰人が言う。
「最後は逆転できそうな雰囲気もあった。そういう力強さは出せたと思う」
スピードとゴールへの執着心、守備も怠らない献身的な姿勢、そして山田とのやり取りに象徴されるフォア・ザ・チームを最優先させる精神。相手にとって危険な、味方にとっては頼れるオーラを放ち続けた左利きのストライカーが、川崎の新たなエースを拝命した。無念の黒星を喫した磐田戦は、後にこう位置づけられるはずだ。
(取材・文/藤江直人)