川崎フロンターレがPKを獲得した場面で、山田新とエリソンは何を感じていたのか……ゴールへの欲求強き2人のストライカーの試合後の言葉の画像
川崎フロンターレのエリソンが山田新にPKを譲った場面 撮影:中地拓也

 3月1日にU等々力で行われた川崎フロンターレジュビロ磐田は、両チーム合わせて9得点が決まる乱打戦となった。最終的に4-5で川崎が敗れた試合中、印象に残る場面が、川崎が手にした85分のPKの場面だった。

 きっかけは途中交代出場の山田新のドリブルでの仕掛け。瀬川祐輔からの縦パスを引き受けた山田がペナルティエリア内深くえぐると、対応したリカルド・グラッサのスライディングが山田の足を払う形になりPK判定に。

 PKスポットに立つエリソンに対し、自らPKを得た山田はボールを抱えて離さなかった。
「そうですね。自分が蹴りたかったので。自分で取りました

 そう話す山田ではあったが、ベンチに確認を取ると、キッカーとして指名されたのはエリソンだった。

「ベンチに確認して、エリソンって言われて。でもエリソンが蹴っていいよと言ってくれたので。自分で蹴りました」

 そう話す山田の言葉だけを見るとエリソンがすんなりと山田に任せたように思えるが、真相はベンチからの指示が出てもなお、しばらくボールを抱えていた山田の熱意にエリソンが負けたというもの。ちなみに山田は「駄々をこねてたら、エリソンが譲ってくれました」と照れ笑い。そして「本当に、優しいですね(笑)、練習から」とエリソンの優しさを強調した。

 結局ベンチからの指示に反し、PKを蹴った山田のシュートは豪快にネットを揺らした。
「途中から出てすぐの場面で、大事な場面でもあったので。多少、緊張はありましたけど、思い切って決められたかなと思います」と振り返った。

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