J1の横浜F・マリノスが、今季開幕戦で逆転勝利をつかんだ。カメラがとらえた「劇的シーン」に、称賛の声が集まっている。
Jリーグの舞台に、伝統の一戦が帰ってきた。東京ヴェルディと横浜F・マリノスの対戦だ。
Jリーグが始まる前、日本サッカーリーグ(JSL)時代から読売クラブと日産自動車として、名勝負を演じてきた。Jリーグ開幕直前のJSLで、黄金時代を築いていた名門同士だ。
その火花はJリーグに移ってからも続いた。Jリーグの幕を切って落としたのも、この両雄の対決だった。1993年5月15日、国立競技場を舞台に激突し、華々しいリーグ開幕を告げたのだ。
そのカードが戻ってきた。新築されてはいるものの、国立競技場を舞台に2024年の開幕節で激突したのだ。
まるで歴史をなぞるような展開だった。東京Vが先制しながら、横浜FMが2ゴールを奪って逆転勝利をつかんだ。1993年の開幕戦と同じ展開だった。
だが、30年以上の時を超え、興奮度は増したと言っていい。横浜FMがPKを決めて追いついたのは89分のこと。松原健が逆転ゴールを決めたのは、アディショナルタイムに入ってから3分が経過してからだった。
チームの逆転も、松原が効き足とは逆の左足で決めた決勝点も、見事だった。だが、それに並ぶピッチ外の活躍もあった。
JリーグがSNSで公開した写真が、興奮をかき立てている。歓喜の松原をどアップに、仲間に祝福される様子を下からあおるようにとらえている。