J2のヴァンフォーレ甲府が、開幕戦で5得点を奪って快勝した。その締めくくりとなるゴールを決めた40歳のストライカーに、驚きの声が広がっている。
甲府の「熱」が続いている。今季のJリーグ開幕前からつながる熱さが、開幕戦で爆発した。
甲府は昨季、過去最低記録となった前年のJ2で18位という記録から8位へと浮上した。前年度の天皇杯初優勝でもたらされた勢いを途絶えさせなかったと言えるかもしれない。
簡単な道のりではなかった。昨年には、天皇杯王者としてAFCチャンピオンズリーグ(ACL)という、初めて臨むアジアの戦いも並行して戦っていたからだ。
ACLでの戦いは、Jリーグのオフシーズンを挟んで続いた。ACLは秋春制を採用しているからだ。
初めて臨んだ大会だったが、見事にグループステージを突破。だが、今月に入り臨んだラウンド16で、韓国の蔚山現代の前に沈み、アジアでの冒険は終わった。
だが、その新たな挑戦は確かに選手たちの血肉となったようだ。ACL敗退の4日後に行われたJ2開幕戦で、徳島ヴォルティスのホームに乗り込み5-1という大勝を飾ったのだ。
前半のうちに2点を奪いながら、後半12分には1点差に追い上げられたが、そこから2点を追加。最後にダメ押し点を奪ったのが、ウタカだった。
ウタカは蔚山現代との初戦の3日前、誕生日を迎えた。2月12日に、40歳になったのだ。
大台到達前にも、超人ぶりを発揮していた。昨季はJ2で40試合に出場して12ゴール。チーム最多得点を叩き出していた。
その大ベテランFWが、開幕戦からゴールを奪った。後半21分に交代出場すると、3点リードしていた後半41分に仕事を果たす。中盤から送られた縦パスを相手も奪いに来たが、うまく体を入れて道をふさぐ。さらには前方に転がったボールに鋭くダッシュしてGKとの1対1に持ち込むと、冷静にゴール右隅を射抜いた。