J1名古屋グランパスの大卒ルーキーが開幕戦で披露した“キレキレドリブル”が話題になっている。
勇猛果敢な25分間のデモンストレーションだった。2月23日に行われたJ1リーグ第1節、本拠地・豊田スタジアムでの鹿島アントラーズ戦。前半から劣勢を強いられた試合で、0-3となった直後の後半20分、3-5-2の攻撃的MFの和泉竜司との交代で、背番号17の倍井謙が投入された。
愛知県出身で名古屋の下部組織で育った後、関西学院大学を経て、今季“出戻り”加入した22歳。すでに特別指定選手として昨季カップ戦でデビュー済みだが、リーグ戦はこの日が初出場という中、ボールを持つ度に自慢の切れ味鋭いドリブルで仕掛け、攻撃を活性化させた。
最大の見せ場は、試合最終盤に見せた股抜きドリブルだった。左サイドのゴールライン際でボールを受けた倍井は、止まった状態から対峙した鹿島DF須貝英大の股の間にボールを通すと、一瞬でトップスピードに乗って相手のポケットに入り込んだ。惜しくもワンツーは防がれたが、ピッチ上で強烈なインパクトを放ち、敗色濃厚の本拠地ファンの希望となった。