■移籍市場の「収支」はプラス
Jリーグ開幕以前から日本サッカーを牽引してきた名門が、捲土重来の時を迎えている。1993年のJリーグ開幕を彩ったオリジナル10でありながら、2009年を最後に14シーズンもJ1から遠ざかるジェフユナイテッド千葉が、J1昇格候補として24年シーズンを戦うのだ。
小林慶行監督の就任1年目となった23年シーズンは、シーズン折り返しとなる21節終了時の成績が6勝6分9敗の17位だった。しかし、25節から29節まで5戦負けなし(3勝2分)、31節から37節まで7連勝を記録するなど、シーズン後半は試合内容を大幅に改善して結果を残した。最終的に6位でフィニッシュし、17年以来となるJ1昇格プレーオフへ進出。プレーオフでは東京ヴェルディに1対2で敗れたものの、24年シーズンへつながる戦いを見せることができた。
オフの移籍市場の“収支”も、悪くなかったと言える。
主力を担ってきたGK新井章太、CB新井一耀、MF見木友哉が移籍していったが、GKにはパリ五輪代表候補の藤田和輝を迎えた。パリ五輪代表は3月下旬にテストマッチを消化し、4月にはアジア最終予選を戦う。本大会出場となれば、7月中旬から8月にかけて数週間チームを離れる可能性がある。藤田の不在も想定して、近年はV・ファーレン長崎、東京V、いわきFCでプレーしてきたGK高木和徹も獲得している。