■「アキさんが持ってた時点で……」
脇坂が口にする3点目というのは、79分の場面。湘南陣内深くに攻め込む展開の中、橘田からのパスを受けた脇坂がダイレクトでシュート。GK富居大樹に触られてクロスバー直撃の際どいシュートになった場面だった。
橘田のパスについては「来ると思ってました」と予測していたと話す脇坂だったが「でもスーパーセーブでした。富居選手、触わってました、触わられました」と悔しそう。そこで決めきることでチームを楽にすることになる。そうできなかった脇坂は自戒を込めて、3点目を決めきりたいとしていた。
ちなみに脇坂にパスを出した橘田は、あそこまで攻め込んだ自らの攻撃参加について「アキさんが持ってた時点で中にタイミング良く入れば回してくれるとは思っていた」とのことで、「そこはしっかり準備しながら、いいところに入れた」と振り返る。チーム全体で準備と予測を積み上げた決定機だった。
結果的に勝利できたが、3点目が決まっていればもっと楽に勝てていた。そう反省する脇坂の向上心がさらにチームを強くする。次の試合でも期待したい。
(取材・文/江藤高志)