■「もう1回代表に行きたい」
一方の佐野は不完全燃焼に終わったアジアカップの後、2月9日に鹿島に合流。町田ゼルビアで共闘したランコ・ポポヴィッチ監督のタテへの推進力と強度の高いサッカーに適応しようと躍起になっている。
「今までだとテンポを上げなくてもいいって思ってたところを崩しに行ったり、速いテンポでサッカーをしているんで、1個でも遅れたりしたら狙いがズレる。みんなの動きに合わせることがまだ難しいですけど、それをやらないと試合に出られない」と10日の水戸ホーリーホックとのプレシーズンマッチ後には危機感を募らせていた。
その後、知念慶とのボランチコンビで先発組に入っている模様だが、柴崎岳のケガが癒えたらボランチの編成がどうなるか分からない。そういう意味で佐野も安泰とは言えない。ただ、鹿島で絶対的地位を勝ち得ない限り、3月以降の代表招集はないだろう。
「あそこにいて、もう1回代表に行きたいって気持ちが強くならない方がおかしい」と言い切る男の意地を見せつけてほしい。
(取材・文/元川悦子)
(後編へ続く)