後藤健生の「蹴球放浪記」第199回「四川の二都物語」の巻(2)サッカー日本代表が戦った兄弟都市の「真逆の顔」の画像
2004年アジアカップ開幕戦の入場券。提供/後藤健生
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 決勝を前に、日本、韓国、イランといった強豪が姿を消した2024年のアジアカップは、この大会の奥深さを思い知らせた。サッカー日本代表はこれまでも、この興味深い大会を何度も戦ってきた。今回、蹴球放浪家・後藤健生が思い出すのは、ちょうど20年前の大会だ。

■ジーコジャパンが戦った四川の兄弟都市

 さて、この大会、ジーコ監督率いる日本代表はグループDに入り、重慶で戦っていたのですが、グループCの試合は成都市の竜泉駅足球場が会場でした。

 成都は四川省の省都。人口は重慶直轄市の約半分の1600万人ほどの大都会です。「三国志」の蜀の都で、諸葛孔明の廟である武侯祠とか、泯江という川の水利施設、都江堰といった古代に造られた建築物がたくさん残っています。紀元前3世紀に建造された都江堰は、現代でも使用されています。

 今は、重慶は独立した直轄市に格上げされていますが、1997年までは四川省の一部でしたから、重慶と成都は兄弟都市。まさに「二都」と呼んでいいでしょう。

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