■ピッチ上の熱量が足りない
――そういえば冨安は敗戦後、「熱量が足りない」という話をしていたようですね。
大住「韓国のような、何が何でも同点に追いつく、この試合に勝つぞ、という気迫は感じられなかったね」
後藤「しかも韓国は2試合連続で追いついて勝ち上がり、だもんね。昔の西ドイツみたい」
大住「やはりサッカーの基本は、相手のゴールにボールを入れることであり、相手のゴールに向かっていかないとサッカーにならないんだという意識をチームとして持たないといけない。そのためにはゴールに向かって走らないといけないし、味方が競っていたらボールが来ると信じて走らなければいけないのに、そういうものが欠けていた気がする。去年の日本代表が1試合で10回くらい出せたプレーを、このアジアカップ5試合で10回くらいしか見せられなかったんじゃないかと思うね」
後藤「そのうち大半が、余裕の展開になったバーレーン戦で出たものじゃないの。バーレーン戦はなんで3点しか入らないんだというくらいに、たくさんチャンスをつくった」
大住「最後は相手が前がかりになって、裏が空いたしね」
後藤「そうそう。だから今回は、コンディション的にも悪かったし、メンタル的にも集中していなかったし、最悪の出来のまま終わったアジアカップだと思うね」