■チャブリッチの前向きなコメント

 そんな鹿島にとっての最重要テーマは、いかにして鈴木優磨以外の得点源を作るか。2023年は総得点43でそのうち鈴木優磨が14ゴールと全体の約3分の1を記録しており、それ以外の得点源を確立することができなかったことも苦戦の要因だった。

「鈴木優磨以外の得点源は必要。彼以外にもFWはいる。そういう選手たちに期待していた部分もあったが、組織としてうまく点を取る形を作れなかった」と吉岡宗重FDは昨季最終節後に発言。これが岩政前監督を解任した最大の理由になっている。

 しかも鈴木優磨本人が目下、顔面骨折で離脱中。本人は今月中にも復帰するくらいの勢いで急ピッチで回復に努めているが、彼がいなくてもいい体制を作らなければいけないのは紛れもない事実だ。

 今季の打開策として期待されるのが、チャヴリッチの得点力だろう。もともとウイングで速さとアグレッシブさを併せ持つ彼は水戸戦前半45分間プレー。背後への抜け出しやボールを収める仕事も見せ、前述の通り、先制点にも絡んだ。

「まずは練習で繰り返しやったことが形に出たのでよかった。今後、自分が点を取るために必要なのは、サッカーの違いに慣れなきゃいけないですし、自分のコンディションを上げ、チームメートとの連携も高めないといけない。そうすれば自然とチャンスは生まれてくると思います」と期待のセルビア人FWは前向きにコメントした。

 彼がフィットしてくれば、鈴木優磨との共存も可能だろうし、鈴木不在時のFWの新たな軸に据えることもできそうだ。本当に得点を重ねられるかどうかは開幕してみないと分からないが、うまくいけば2020年に18ゴールを挙げたエヴェラウド同等の活躍も期待できるかもしれない。期待値は高そうだ。

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