■「1試合目から高いレベルのパフォーマンスを発揮しなきゃいけなかった」
GKの基本技術や反射神経というのは2週間、3週間で急激に伸びることはないかもしれないが、実際の試合の中での対応力、特に大会の重圧の中で、いかに代表でふだん通りの能力を発揮するかという部分は1つの試合で大きく成長しうる。今大会の鈴木は準々決勝まで、5試合全てに出て、ほぼ右肩上がりだった。特にメンタル面はこの短期間でも大きく成長したはずだ。
「代表でやる以上はやっぱり、本当に今大会も1試合目から高いレベルのパフォーマンスを発揮しなきゃいけなかった」
そう自覚する鈴木だが、この経験というのは前向きに生かしていくしかない。今後のA代表はもちろんだが、鈴木にはパリ五輪がある。今年4月に、最終予選に当たるU-23アジアカップが同じカタールであり、そこで勝ち進めば夏の本大会に参加できる。
「この経験をしたら僕であって、この経験を生かすも殺すも自分自身だと思ってます」と語る鈴木はGKとしてはもちろん、FW細谷真大らとともに、”A代表経由パリ行き”を実現させる選手の一人として、チームリーダー的な存在になっていくことが求められる。