■大会中に訪れる波
大住「1月31日で大会が終わりになる可能性も、まだ残っているけどね。本来のリズムを、どこで取り戻せるかな。去年ずっと勝っていた時期には、チームがもっと前向きで、失敗を怖がらずに攻める姿勢が良い結果につながっていたと思うんだよね。だから、もうちょっと前向きになってほしい。タイ代表を見ていて、選手のメンタリティがアグレッシブなチームって、こんなに生き生きするのかと感じたよ。日本にもそういう面が備わったら、アジアでは無敵だよ。勝たなきゃとか、4点差をつけて勝つんだとか考えると、違う方向に行っちゃうよね」
後藤「日本がカタール・ワールドカップでドイツやスペインと対戦したときのような気持ちで、相手は向かってくるんだからね。何とか食ってやろう、という気持ちで挑んでくる」
大住「相手チームの監督は、絶対に日本を深く分析しているはずだしね」
後藤「実際に日本がイラクに負けたから、余計にこれから当たる相手は、やりようにやっては勝てる、という気持ちになっているよ」
大住「そうだよね」
後藤「それを克服して、次の試合からは無失点で、相手をコテンパンにして勝ってほしいね。つけ入る隙なんてないんだと見せつけるくらいに」
大住「準優勝した2019年のアジアカップで、日本が良い試合をしたのは、3-0で勝った準決勝のイラン戦だけだった。他の試合は、どれも苦しかった」
後藤「大会を通じて完璧に勝ち続けるのは、大変なことだよ。圧倒的な強さで優勝した2000年のレバノン大会だって、難しい試合はあった」
大住「サウジアラビアとの初戦で4点、第2戦でウズベキスタン相手に8点取って、相手から一気に警戒されるようになったんだよね。そう考えると、今大会はここまで、うまくストーリーづくりができているような気がする。何とか決勝まで進んでほしいというのが、大会が終わるまで現地で取材予定の僕の希望です」