アジアカップはグループステージを終了し、決勝トーナメントの開始を待っている。サッカー日本代表はグループGを2位通過。連勝が10で止まった理由をいかに消化し、この先を勝ち進む力へと変えていくべきなのか。ベテランのサッカージャーナリスト、大住良之と後藤健生が徹底的に語り合った。
■日本代表に足りないもの
――期待が高かっただけに日本代表の悪い点が目立ちますが、良い点はありましたか。
後藤「ちゃんとパスが回りさえすれば、他のチームとは格が違うのは明らか」
大住「でも、イランとUAEの対戦や、韓国とサウジアラビアの試合も見たら、イランも韓国も攻撃の速さという意味では、日本よりずっと上だよね。時間を無駄にせずにゴールに向かっていく現代的なプレーができている。韓国がマレーシアと引き分けた第3戦も、結果だけ見れば残念な試合だったけど、ソン・フンミンはさすがプレミアリーグの選手だなという感じがすごくした。4-3-3のインサイドハーフとして出ていたけど、パスを出して斜めに出ていくスプリントが全力で、しかも長い距離を走る。プレミアのサッカーはこういう感じだよな、というプレーを彼は見せている。日本の選手はパスを出した後はふわっとしちゃう感じ。そういう点では、もう少し意識を高く持ったプレーが必要なんじゃないかなという気がしたけど。ようやくチームのコンディションが整ってきたラウンド16以降、そういう面が出てくると、破壊力も上がっていくと思う。今の攻撃テンポやスピードでは、いくらパスがつながっても最後は崩せないよ」
後藤「インドネシア戦では、そういう場面が随分と出てきていたじゃない。堂安律が中村敬斗に預けた後も足を止めず、左サイドに開いてアシストした場面とか」
大住「数は少ないけど出てきたね」