■ファイナルを見据えた采配
こうして選手たちがピッチ上で最適解を見出し、後半にはよりギアをアップ。序盤に上田が2点目を奪い、さらに堂安が3度の決定機を迎えた。ここで追加点が奪えていたら、もっと楽に勝てたし、勢いもついていた。結果的には終盤、上田が誘発したオウンゴールの3点目が生まれて勝負あり。ラストのロングスローからの1失点はいただけないが、ようやく日本らしさが出た結果の3-1は前向きに捉えていいだろう。
ターンオーバーに踏み切って16強進出を勝ち取った森保監督。「選手26人全員を使いながら頂点に立つ」という強い思いがにじみ出ていた。この采配がファイナルを見据えたものだったのは間違いない。2019年UAE大会決勝で敗れた男の執念が感じられたチームマネージメントだった。
(取材・文/元川悦子)
(後編へ続く)