蹴球放浪家・後藤健生は、世界中でサッカーの取材を続けている。試合のみならず、時にはクラブを訪れることもある。対応は国や地域によっても違うし、同国内でもまったく異なる場合もある。例えば、ポルトガルの名門2クラブが対照的だったように…。
■2003年のポルトガルにて
僕は、これまでに世界各国の多くのクラブを取材したことがありますが、基本的にはどこもとてもオープンで、こちらの希望に沿って取材をアレンジしてくれることが多かったように記憶しています。
時には、「希望以上」の対応をしてくれることもあります。
2003年にポルトガル取材に行った時の話です。
スポルティングの新しいトレーニング施設がオープンしたばかりだというので、リスボンからテージョ川を渡った対岸のアルコシェテにある施設の取材に行きました。
施設の運営責任者やユース担当の指導者たちの話を聞き、その後、若い選手の話も聞きたいと思って、広報担当の女性に「10代の選手の話も聞きたい」と言ったところ、彼女はすぐに若い選手を2人連れてきれくれました。
僕としては、ユースチームに所属する無名の選手をイメージしていたのですが、彼女が連れてきてくれたのは、なんとクリスティアーノ・ロナウドとリカルド・クアレスマでした。