■前主将との共通点
何年間もこうしたプレーを続けてきた遠藤が日本代表のアームバンドを手渡されたのが、30歳を過ぎてからだという事実に驚く。遠藤は生まれついてのキャプテンであり、湘南ベルマーレで3バックの右サイドでプレーしていたころから、チームに対して大きな影響力をもっていたからだ。ただ、日本の社会には良い意味での「長幼の序」のようなものが残っており、それが組織の安定性にもつながっていて、森保監督が「第1期」の就任時にやはり30歳のDF吉田麻也をキャプテンにしたのが間違っていたとは思わない。
吉田もキャプテンの役割を理解し、キャプテンらしい言動とプレーでチームを牽引した。英語でのスピーチもうまく、森保監督の「第1期(2018~2022年)」に日本代表が国際舞台でイメージを大きく上げた背景に吉田のコミュニケーション能力があったのは間違いない。ピッチのなかでは常に大声を出して味方を叱咤激励し、自ら体を張って守るプレーは味方を勇気づけた。