■尊敬する2人のストライカー

 自身の特徴は言葉にはしなかったものの、「単純に言ったらボールを追いかけて戦って、自分の精一杯できることをゲーム中に最大限発揮する」と、エゴイズムを前面に出したストライカーではないことをアピール。さらに、「自分はサッカー選手の一人として練習をこなすのがすごく好きですし、戦う準備をするのもすごく好き。筋肉をしっかりと保てるようにジムで筋トレをしますし、栄養にも気をつけながらやってます」と、勤勉であると明かす。

 そんなエリソンがリスペクトしてきたブラジル人選手は2人いる。まずはアドリアーノで、強烈な左足を武器とした強フィジカルのストライカーがエリソンと重なる選手だ。ブラジル代表として48試合に出場したこのストライカーには、「ピッチの中外の姿にリスペクトして学んできた」と話す。

 もう一人は「プロとして素晴らしい」「常に相手に脅威をもたらす」と話すフッキ。彼が出演するテレビ番組などにも注目し、その私生活をも研究しているという。

 そして、エリソンが主戦場とするであろう“9番”のポジションで歴史を刻んだレアンドロ・ダミアンについては、「ブラジルの中でもアイドルの1人」と説明し、これから先も彼は素晴らしいサッカー人生を繰り広げていくと思う」と思いを馳せる。

 背番号がまだ発表されていない川崎で、エリソンは9番を継承する筆頭候補となる。ダミアンの歴史を超えるか、そして、Jリーグに残るストライカーとして名を刻むか。そのベールが、まずは沖縄のトレーニングマッチではがされることとなる。

(取材・文/中地拓也)

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