1月16日、川崎フロンターレは沖縄キャンプに入る。2月13日に早くも迎えるACLラウンド16の試合に向けてチーム作りが進められていくことになるが、新戦力となる加入選手はキャンプを前に何を感じたのか。麻生グラウンドで話を聞いた。
1月12日に、今季初の全体練習を開始した川崎。その練習を前に、ピッチの上で走り込んでいたのがエリソンだ。180cm、83kgという数字は、選手名鑑の中で突出したものとしては映らない。しかし、その姿を目にすれば圧倒的なフィジカルの強さを感じずにはいられない。
昨夏に加入した元フランス代表FWバフェティンビ・ゴミスと並んでも、その厚みは際立つ。事実、ブラジルでのプレーにおいても、映像ではその強さを十二分に発揮している。
そのエリソンに、自身の特徴を聞きたいと思った。初めて海外でプレーするうえでその武器を、自分の中でどう捉えているかを知りたかったからだ。ややありきたりにも思えたが、一方で、最初の取材であれば当たり前のものかもしれない。そんなことを考えていると、エリソンの口から出たのは、「自分の特徴を先に言うのはあんまり好きじゃなくて」という意外なものだった。
一瞬、戸惑ったが、その理由がこの新ブラジル人FWの特徴の一つを表しているような気がした。「自分の特徴を言ってしまうと相手に楽にマークされてしまう」と話したからで、自身の武器をアピールすれば、その第一声が印象として先走ってしまうことを警戒したからのようだった。ゴールを狙ううえで必要な“マリーシア”を、ピッチ外でも持っていることを感じさせた。
ただし、自身の左足については、「パワーとスピード、シュート」と3つのキーワードを挙げ、「自分はフォワードなので、やはりゴールを積み重ねるのが一番の仕事」と役割を力強く話す。