■「純也君が持った時はクロスが90%くらい上がってくる」

 実際、この3人は昨年10月のカナダ戦(新潟)で共闘。その時は4-1-4-1布陣で、南野は田中碧(デュッセルドルフ)とインサイドハーフ(IH)を形成していたため、純粋な横並びではなかったが、いいバランスで効果的なプレーを披露。中村敬斗がゴールを奪っている。

「純也君が持った時はクロスが90%くらい上がってくるので、信じてゴール前へ詰めています。代表での得点はスーパーゴールは決めていないし、みんながつないで決めるだけ。ホントにラッキーですね」と元日のタイ戦(東京・国立)後にもコメントしていた。伊東・南野がボランチの守田英正スポルティング・リスボン)らと絡みながら右で崩したところに中村敬斗が飛び込めば、確実に得点が生まれるという関係性ができつつあるのはポジティブな点と言っていい。

 アジア相手なら、伊東や南野が個の打開力を生かして一気にゴールまで突き進めるのも大きいだろう。相手が人数をかけて守ってきても、彼らが複数枚数をはがせば、必ず空くところができる。守田や遠藤航リバプール)らボランチ陣もフィニッシュに行ける可能性も高まってくる。

 遠藤も守田も第2次森保ジャパン発足後はノーゴール。日本がこの先、2026年北中米ワールドカップ(W杯)で優勝を狙うつもりなら、FW、2列目はもちろんのこと、ボランチも得点力アップがマスト。伊東、南野、中村が並ぶアタッカー陣が敵をかく乱し、そういうチャンスを数多く作ってくれれば理想的。そういうワクワクする展開を期待したい。

「僕ら選手、監督、スタッフは別に優勝を期待していない。優勝しなきゃいけないと思ってやっている。しっかり優勝するっていう目標を持って、しっかりチームで突き詰めていきたい」と今回はベンチスタート濃厚の久保が語気を強めていたが、ベトナム戦で苦戦していたら、2年後のW杯で頂点に立つのは難しくなる。「史上最強軍団」という評判通りの戦いぶりで、世界を驚かせるべき。フランス3人衆にはそのけん引役として、力強くチームをリードしてもらいたい。

(取材・文/元川悦子)

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