■「徐々に自分のプレーも出せるようになってきた」

 細谷の魅力は前線で体を張ってボールを収められる能力と裏抜けの鋭さだ。ベトナムは自陣に引いて人数をかけて守ってくると見られることから、彼がしっかりとポスト役をこなして味方をフリーにし、周りが供給してくれたクロスやラストパスを仕留める仕事が求められるところ。

「徐々に自分のプレーも出せるようになってきたので、質をもう一段階上げていくことが大事。タイ戦ではゴールを取れなかったので、アジアカップに選ばれたらチームの勝利に貢献できるゴールを取りたいと思っています」と本人もノーゴールに終わったタイ戦後に奮起を期していた。

「今年は自分にとって大事なシーズン。得点パターンをもっと増やさないといけないと代表活動期間に感じました。クロスからだけでなく、自分が点を取れる形をもっと見つけないといけない」とも課題を口にしていたが、ベトナム相手に他アタッカーとの連携で崩したり、少し遠めからのシュートを打ったりと、これまでの殻を破るような動きを見せ、それが結果に結びつけば、若い彼にとって大きな自信になる。

 代表実績で先を行っている浅野拓磨(ボーフム)、前田大然セルティック)、上田綺世(フェイエノールト)らと真っ向勝負をしていくためにも、与えられたチャンスを確実にモノにしなければいけない。まずは細谷の爆発に期待を寄せたい。

(取材・文/元川悦子)

(後編へ続く)

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