■目立った後半の強さ
2回戦の日大藤沢(神奈川県)戦、3回戦の明秀日立(茨城県)戦は、ともに前半は1点リードを許したものの、後半に追いついてPK戦に持ち込んでの勝利。「前半は眠っていた」ような試合運びだった。神村学園(鹿児島県)との準々決勝でも前半1対2でリードを許したものの後半3ゴールを奪って逆転勝利。いずれも後半の強さが目立つ勝ち上がりだった。
10番を付けた金山耀太を前半は3バックの一角で起用し、後半から左のウィングバックに上げることによって攻撃のギアを上げるというのがパターンだった。だが、準決勝の堀越(東京都A)戦ではスタートから金山をウィングバックで起用すると、前半のうちに3点を奪うことに成功するなど、戦い方の幅も広かった。
ノーシードのチームが勝利を重ねるとともに自信を付けてくるというのは、こうしたノックアウト式トーナメントではよく見られるパターンだが、まさに近江の決勝進出は「旋風」と呼んでいいものだった。