【浦和レッズがヘグモ体制で目指す「J1優勝」に求められる戦力(2)】ターンオーバーなき日程のメリット・デメリットがカギに……岩尾憲&伊藤敦樹の位置付けはの画像
浦和レッズの伊藤敦樹23年に成長した姿を見せた 撮影:中地拓也

 新体制を迎える浦和レッズでウイングが充実してきている一方で、はっきりしていないのがセンターフォワードだ。現役継続を決めた興梠慎三、加入2年目の”カルロス”こと髙橋利樹(高ははしごだか)、ブライアン・リンセンと人数はいるが、高橋もリンセンもウイングとのポリバレントな起用も見込まれる選手たち。ホセ・カンテに代わる大型ストライカーの獲得が浮上しては、なかなか正式に決まらない状況だったが、チアゴ・サンタナの獲得が決定的との報道が出た。欧州方面からの獲得ではないが、2022年のJ1得点王に対する信頼度は高い。

 もし適役を獲得できない場合、名古屋グランパスに期限付き移籍して、昨年16得点をあげたキャスパー・ユンカーの出戻りも可能性としては残る。ここが固まれば、いよいよリーグ優勝に向けた陣容が整ってくることになる。

 ダイナミックで縦に速い攻撃をベースにするへグモ監督が、スウェーデンリーグを制したBKヘッケンと同じ4ー3ー3をメインのシステムに使う場合、鍵になるのは間違いなく左右のウイングだが、そこを輝かせるかどうかはインサイドハーフの構築にかかっている。中盤のアンカーにはスウェーデン代表のサミュエル・グスタフソンという攻守で要になれる大型MFが加入したので、逆に左右のインサイドハーフは多様な組み合わせにチャレンジしやすい。

 日本代表MF伊藤敦樹の去就は明らかにされていないが、小泉佳穂や安居海渡、中島翔哉、エカニット・パンヤ、早川隼平などが有力候補になる。水戸から帰還した左利きのMF武田英寿も、本質的にウイングではないので、へグモ監督の見立て次第ではインサイドに組み込まれる可能性がある。

 渡邊凌磨もFC東京ではウイングを担っていた時期と4ー2ー1ー3の10番のポジションで使われた時期があり、へグモ監督の見極めによって起用法が変わってくるはず。もちろん武田や渡邊が複数ポジションでポリバレントに使われるケースも想定しておきたい。

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