■主力メンバーを固定できる一方で、求められる控え選手のマネジメント
昨シーズン、伊藤と共にボランチの主力を担ってきた岩尾憲は4ー3ー3だと位置付けがやや難しい。これまでも2ボランチの関係で、岩尾は長いパスも正確に蹴ることができ、ポジショニングも柔軟であるため、アンカーのポジションでも攻撃の組み立ては全く問題ないだろう。
ただ、守備で広いエリアをカバーすることは難しい。むしろ日本代表で6番の役割も求められている伊藤がインサイドハーフと兼任することになるかもしれない。
バックラインの顔ぶれは昨シーズンの主力選手がベースになると見られるが、サイドバックは湘南ベルマーレから石原広教、センターバックは京都サンガから井上黎生人、ガンバ大阪から佐藤瑶大と、即戦力として期待できる選手が加入した。左サイドバックに関しては荻原拓也に海外移籍の報道があるが、一方で、宇賀神友弥がJ3のFC岐阜から2年ぶりに復帰することがリリースされた。サイドバックの戦力としてはもちろんだが、選手の入れ替わりが激しいチーム状況で「浦和を背負う責任」を伝えてくれる貴重なホームグロウン選手でもある。
どういう陣容になるにしても、昨年と違い1週間に1回の試合ペースになるため、アクシデントがない限り主力を固定的に起用することもできる。つまりターンオーバーの余地がほとんどないのだ。
例えば昨年のJ1ベストイレブンであるアレクサンダー・ショルツとマリウス・ホイブラーテンのコンビがフルシーズン稼働に問題なければ、なかなかセンターバックの控え選手に出番が巡ってこないことも想定できる。
固定的に選手を起用できることはそれだけ、アクシデントが少なくシーズンを送れているということになるが、選手層という意味ではシーズンが進む中で先細りしていくリスクもある。また、なかなか試合に出られない選手は不満やストレスも出てくるだろう。ルヴァン杯の勝ち上がり次第で変わってくることでもあるが、へグモ監督がどうマネージメントしていくのか。