■不可欠だったウイングの補強

 へグモ監督の方向性にも関係することだが、一番テコ入れが必要だったのがアタッカーの陣容だ。スコルジャ体制ではアレクサンダー・ショルツ、マリウス・ホイブラーテンの二枚看板と守護神の西川周作を後支えに、リーグ最少失点の堅守が構築されたものの、得点は42にとどまった。これは優勝した神戸より18点、最多だった横浜F・マリノスより21点も少ない。

 4ー3ー3をベースにすると見られる中で、サイドもウイングとしての専門的な仕事ができるタレントは必要になる。FC東京から渡邊凌磨、名古屋グランパスから前田直輝を獲得した狙いは明確だ。また期限付き移籍していたJ2の水戸ホーリーホックで、9アシストを記録した左利きMFの武田英寿を復帰させたことも、その戦略と一致している。

 あとは獲得が決定的と報じられているノルウェー代表FWオラ・ソルバッケンが加入すれば、サイドアタッカーに関しては豊富なオプションからへグモ監督がベストチョイスを見出していくことになりそうだ。

(取材・文/河治良幸)

(後編へ続く)

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