2024年1月12日、カタールを舞台にいよいよアジアカップが開幕する。サッカー日本代表が狙うのはもちろん、アジア王者だ。
そのために日本はまず、ベトナム、イラク、インドネシアとのグループステージで勝ち上がり、その後のトーナメントで勝利を積み上げていくこととなる。
森保ジャパンの初戦は14日のベトナム戦で、決勝戦は2月10日。長く険しい大会に、山本昌邦ND(ナショナルチームダイレクター)はどのように挑もうとしているのか。注目の大会を前に、話を聞いた。全3回のうち、今回が最終回となる。
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ロシアワールドカップからカタールワールドカップにつながった要因として、森保一監督がチーム内部でW杯本大会を連続して経験したことを挙げた。そのメリットの一つが経験値だが、もう一つ忘れてはいけないのが、東京五輪に挑む代表を森保監督が率いていたからこそ、若い世代との融合がスムーズに進んだという点だ。はたして次回のワールドカップにここから五輪世代の選手がどう入ってくるのか、そのカギは代表監督会議にある。
「各代表の監督が集まる代表監督会議があり、そこで情報共有や意見交換が行われています。森保監督と大岩剛U-22監督はよく夢フィールドで一緒にいますから、そこでのコミュニケーションはかなり取れていますが、代表監督だけのミーティングを行うことでさらにいろいろなコミュニケーションが取れます。
大岩監督がよく言っている、「代表経由パリ五輪」というのが鈴木彩艶や細谷真大のような選手ですよね。そのような選手をみんなで育ててこうということが共有できていると思います。そしてそれは、 “選手の成長にとって何がいいのか”ということが基準に考えられています」
月に1回程度開催されている各年代の代表監督を集めたこの話し合いでは、それぞれの活動を報告し合うこともあれば、山本ダイレクターが「今日こういうことについて1時間話したい」と集合をかけることもあるという。今、各年代のトップを率いる監督はどんなテーマに取り組んでいるのか。
「テクニカルな部分をどうやって上げていくかということや、情報収集などですね。先日はロールモデルコーチ、サポートコーチ、スペシャルコーチという言葉もこれでいいのか、ロールモデルコーチとして来てもらう元選手の基準はどうするか、などの話もありました」