■中村憲剛氏がかけた2つの言葉

 ピッチの内外で多くの刺激と学びがあったという福森のプロ入り直後にまず影響を与えたのは、中村憲剛氏だった。「川崎の18、19歳だった頃は、自分の好きな自主練をしてたんですよね」と当時を振り返る。その内容は攻撃的なもので、「ディフェンスにも関わらず、シュート練習をやったり」と好きなメニューをこなしていた。

 そんな福森に、「まずは自分のポジションの必要なことをやらなきゃいけないでしょ」と声を掛けたのが中村憲剛氏だった。長所を生かすためにも、必要なスキルを得てポジションをつかみ取る必要がある。

 そうして努力を重ねたことがJ1・204試合、J2・78試合出場の礎となっているのだが、川崎ではポジションを掴めず、移籍を考えた。札幌に移るより前のタイミングだ。

 福森は、「憲剛さんは記憶ないと思いますけど……」と、悩む自身への中村憲剛氏の言葉を思い出す。

「そのチームで100%の自分の力を出さずに他のチームに行くっていうことは、逃げになるんじゃないかな」

 この声が心に響き、「自分は4年間、全力で川崎のためにやりました。そうして4年目の最終節にはスタメンで出れました」と話す。そして、「憲剛さんからいろいろなことを学べました」とも付け加える。

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