2024年のヴィッセル神戸を見据えるに当たって、まず考えなければならないのが、外国人選手の動向だ。
現有戦力のうち、今夏加入した元スペイン代表MFファン・マタとハンガリー代表Mバーリント・ヴェーチェイに関しては退団が本決まりになりつつある。マタはリーグ戦出場時間わずか10分、ヴェーチェイも22分という状況で、戦力になったとはお世辞にも言い切れなかった。この判断はやむを得ないだろう。
そもそも彼らの補強は最初から疑問視されていた。ヴェーチェイの方は8月に重傷を負った齊藤未月の穴を埋めるボランチが必要になり、その候補者として白羽の矢を立ったという事情は理解できるが、マタの方は吉田孝行監督の戦術に全く合っていなかった。ハードワークと攻守の切り替えを前面に押し出す指揮官のスタイルにテクニカルなマタというのはミスマッチとしか映らなかったのだ。
おそらくクラブ首脳陣主導で獲得話が進んだのだろうが、来季は現場の要望に合う高い強度でプレー可能なFWやMFが必要だ。大迫勇也や武藤嘉紀らを休ませられる陣容を揃えることができれば、神戸のJ1連覇も見えてくる。残留するであろうジョアン・パトリッキ、マテウス・トゥーレル以外の外国人選手がどうなるか。そこはチームの命運を左右するポイントと言っていいだろう。