■中村憲剛氏の言葉
そして、そんな伊藤に刺激を与えた人物がいる。ロールモデルコーチとして森保ジャパンに帯同している中村憲剛氏だ。
現役時の中村氏もトップ下やボランチを主戦場としており、伊藤同様にフィジカルで恵まれたわけではなかった。しかし、ピッチ上での考える力や止める・蹴るの技術、そしてアイデアによって川崎フロンターレや日本代表でチームをけん引し続けた。
伊藤は29日の練習時の冒頭でのランニングで、その中村氏と会話をしながらランニングしていた。中村氏から伊藤に話しかけていたようで、「自分のプレースタイルややりたいことを聞かれて、“それがすごい新潟に合ってたね”っていうふうに言っていただきました」と言う。
そして、「周りを生かすプレーを新潟だったり今もしているんですけど、“やっぱり生かされるプレーも大事だよ”と言われたので。そこを意識して自分らしくやりたい」とアドバイスを受けたことを明かした。
伊藤はアイデアあふれるパスで局面を打開する能力を持っている。それによって前線のアタッカーにチャンスを供給してきたが、自身も生かされることによって“怖さ”が倍増することは間違いない。そういう存在になるイメージを、中村氏の言葉で意識したようだ。