【タイ戦で先発の伊藤涼太郎が日本代表に懸ける思い(2)】中村憲剛氏のアドバイスを胸に挑む代表デビューマッチ。川崎と日本代表をけん引したMFの「大事だよ」という“金言”の画像
12月29日の練習で伊藤涼太郎は中村憲剛氏と会話しながらランニングしていた 撮影:中地拓也

 1月1日、サッカー日本代表が挑むタイ戦で先発濃厚なのが伊藤涼太郎だ。シントトロイデンに移籍しえ半年。初めての海外移籍で成長した部分を、国立競技場のピッチで披露することとなる。

 伊藤はこの試合を前に「勝負したいのはトップ下、10番のところです」と話していたが、その待望の場所で出場する可能性が高い。ただし、このポジションには強力なライバルがひしめいている。南野拓実鎌田大地久保建英らはその一例だ。

 伊藤自身も、「今の日本代表で僕と同じポジションの選手は5大リーグで活躍してる選手ばかり」と置かれた現状を理解している。だからこそ、「そういった選手に負けないっていうのはすごい大事なんですけど、そういった選手とは違う自分を見せるのが大事かなと思う」と話し、「ライン間で受けるところだったり、アイデアのところだったり、そういったところをアピールしたい」と自身のプレーイメージも膨らませている。

 現在、ラツィオに所属している鎌田の名前を挙げて、「鎌田選手のプレーを見て参考にする部分もたくさんある」としながらも、「でも、その中で誰か目標にするってよりも、逆にそういう人たちになれるように、目標とされるような選手となれるように、自分にしか出せないものってのはたくさんあると思うので、それを1日の試合でしっかりと出したい」と話す。

 その言葉から感じるのは、同じことをしてそれぞれで上回るのではなく、自身の強みをオリジナルなものとして出す自信と覚悟だ。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4