■記者に逆質問

 もちろん彼の場合、幅広いビジネスを手掛けていて、現役復帰の意向もあり、指導者ライセンスがないという現実もあるが、監督になることを最優先に考えているのは事実。多彩な活動をしているという部分では内田と通じるところも少なくないだけに、本田自身にやる気があるなら反町技術委員長や森保一監督も前向きに考えるのではないか。

 12月26日の4人制のU-10サッカー全国大会「4v4」の決勝後、本人の意向を尋ねてみるとこんな回答が帰ってきた。

「詳細が分かってないんですけど、ないんじゃないですかね。ロールモデルコーチは何をやるんですか? 代表選手の指導? A代表も?だったら篤人や憲剛さんはS級をもらえるんですか?」

 本田から逆質問をされてしまったわけだが、引退後の元代表選手をいち早く指導現場に戻すために反町技術委員長らが中心となって取り入れた試みだと説明すると「そういうのをやってるんですね。進歩はしてますよね」と協会側のスタンスに一応の理解を示した。

 そのうえで、彼は「進歩はしてるんですけど、グッと変えられないのは協会だけじゃなくて日本の問題点。バーンと変えられない。批判されてもバーンと変える人はホントどの業界でも少ない。バーンと変えないと前に進まない。(ライセンスを)なくしたいって言い始めたらまた問題になるんで、残しましょうってなるし。例えばJ3から(ライセンスなしを)やるとか。どっかからやればいいんですよね」と改革が急ピッチで進まない現状に苛立ちを覚えている様子だった。

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