「FC町田ゼルビアのJ1初昇格を支えたチームマネジメント」「説明が乏しいJ1の20チーム化の理由」【日本代表・五輪・J…日本サッカー2023/2024の激論】(7)の画像
FC町田ゼルビアはJ1に初挑戦する 撮影:中地拓也

 2023年、日本サッカー界は成長を続けた。ドイツ、スペインを撃破した2022年のカタール・ワールドカップに続き、アウェイの地でリベンジに燃えるドイツを返り討ちにするなど、世界を驚かせ続けた。その成長は、2024年も続くのか。日本サッカー界の成長への期待と、そのために必要なポイントについて、ベテランサッカージャーナリストの大住良之と後藤健生が、年をまたいで燃え盛る激論を交わした。

■守備の重要性

――東京ヴェルディが16シーズンぶりに帰ってくるなど、楽しみな2024年のJ1ですが、どんな戦いが繰り広げられると思いますか。

大住「ヴィッセル神戸が2023年に初優勝したのは、全員で攻守に働いた結果だという話はしたよね。その際、サッカーは結局点を取ることに尽きるという話もしたけど、逆に言えば点を取られなければ負ける確率は低くなるわけだよ。だから皆、守備をきちんとやった上で、いかに良い攻撃を出せるかということをテーマに掲げている。守備の練習をせずにタイトルを取ろうという、北海道コンサドーレ札幌のミハイロ・ペトロヴィッチ監督のような指揮官は、そうそういないと思うよ(笑)」

後藤「守備のやり方は、チームによって違う。さらに、守備からどう攻撃につなげるかというやり方も、それぞれ違うというだけだからね」

大住「神戸やJリーグ全体が守備的に傾いているとは思わない。だけど、守備をちゃんとできるということが、ひとつのベースになるのは確か。得点力に難があった浦和レッズも、守備はしっかりしていたから、2023年は4位という成績を残せたし」

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