■厳格なサウジアラビア

 そして、アラビア半島中部を支配していたサウド家はワッハーブ派という非常に厳格な宗派と結びつくことによって半島の統一を成し遂げました。それが、サウジアラビア王国という国です(「サウド家のアラビア」という意味)。

 従って、サウジアラビアでは今でもイスラム法が厳格に適用されていますし、飲酒などはもってのほかです。空港でも、荷物が厳しく検査されます。

 クラブ・ワールドカップが開催されているのはジッダという紅海に面した港町です(11月にワールドカップ予選のシリア対日本の試合が行われたのもジッダでした)。内陸部にある首都リヤドに比べれば取り締まりは緩やからしいですが、なにしろジッダは聖地マッカのすぐそばにありますから、やはり宗教色の強い町です。

 僕が最初に訪れた1997年当時は、お祈りの時間になると街中の空気がピンと張り詰めた感じで本当に街中から人が消えてしまう感じでした。レストランで食事している最中にお祈りの時間になると、異教徒でも食事を中断しなければいけませんでした。

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