クラブ・ワールドカップが、サウジアラビアで開催されている。浦和レッズも奮闘しているが、彼の国を知る蹴球放浪家・後藤健生の胸には不安が湧き上がる。サウジアラビアの本来の姿を知る人間ほど、ワールドカップ開催への懸念が募るのだ。
■国によって違う戒律の厳しさ
中東でも国によってイスラム教の宗派が微妙に違うので、規則はまちまちです。
アラブ首長国連邦(UAE)は連邦国家ですから、「シャルージャは比較的厳格だ」といったように各首長国によって禁酒の厳しさが違います。
カタールでも高級ホテルではアルコールは飲めました(僕は、その海外に行ったら、その土地の風習に従いますから、カタール滞在中はアルコールは飲みませんでした。インドネシアでも、1回ビールを飲んだだけでしたが)。しかし、サウジアラビアは戒律が厳しい国です。
この国がイスラム教国の中でリーダー的存在になっているのは、産油国の中では人口が多く、石油の埋蔵量も多いからですが、何といっても領土内にイスラム教の聖地であるマッカ(メッカ)とマディナ(メディナ)があるからです。全世界のイスラム教徒が巡礼のためにサウジアラビアまでやって来ます(そして、異教徒は聖地に立ち入ることはできません)。マッカに近いジッダの空港には一般用とは別に、巡礼者専用のターミナルが存在します。