カタールワールドカップを終えて2023年に改めてスタートした森保ジャパンは、ここまで順調な熟成を見せている。そんなチームにあって、2月に反町康治技術委員長がそれまで兼務していた日本代表に関する部分を引き受け、最も近い位置で寄り添っているのが山本昌邦ナショナルチームダイレクター(ND)だ。
24年1月からいよいよ始まるアジアカップ。舞台は再びカタールとなる。アジア王者を狙う第2次森保ジャパンはここまでどのような1年間を過ごしてきたのか、山本NDに話を聞いた。全3回のうちの、今回が最終回となる。
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9月シリーズで見せたドイツ戦からトルコ戦のターンオーバーのみならず、10月のカナダ戦とチュニジア戦では7人を、11月のミャンマー戦とシリア戦では9人を、それぞれ1戦目と2戦目とで先発メンバーを入れ替えて戦い、いずれの試合においても勝利を収めている。
これは日本代表の選手層が厚くなったことと同時に、チームとしての蓄積がある証といえる。
「間違いなく層は厚くなっていますよね。2022年カタールワールドカップの前に比べて、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグなど、ヨーロッパの主要な、そして頂点を極めるような試合に出ている選手が増えてきています。
チャンピオンズリーグとヨーロッパリーグの試合は週の半ばに開催されるために、ヨーロッパの大会に出ている選手のリーグ戦開催日は日曜日が主になります。すると、日本代表の活動のために集まって来られる日が月曜日や火曜日になってしまいます。
だから、本当にタフじゃないと乗り越えられない。たとえばアーセナルやリヴァプール、ラツィオ、レアル・ソシエダの選手たちは、SAMURAI BLUEの試合の前日にチームにやってくることもあるのです。こういうタフな中でプレーしている選手がどんどん増えてきているのはいい傾向だと思います」