■アジア王者になった4日後にリーグ戦
Jリーグの場合は試合数に加えて、夏場の暑さやACLのアウェーでの移動と言うのも体力面の負担になってくるので、そう言った点も欧州主要リーグと単純比較することはできない。ただ、国内外のカップ戦に勝ち進むほど、試合数が増えて厳しくなることは今に始まったことではない。これまでACLに出ていないクラブや早期敗退したクラブが、リーグ優勝を飾ったケースも多いが、試合数が多いということは強豪クラブの証でもある。
今年の浦和にとって試合数に加えて厳しかったのが、最大の目標だったACLファイナルがシーズン折り返しに前の5月に来たことだ。しかも、予算規模で浦和を大きく上回り、アジア随一の戦力を持つとも見られたアル・ヒラルに挑んだ浦和はサウジアラビアでの過酷なアウェーゲームを興梠慎三のゴールで1−1の引き分け、ホームで相手のオウンゴールを誘い、合計スコア2−1で、3度目のアジア王者に輝いた。
しかし、そのたった4日後の5月10日にリーグ戦のミッドウィーク開催があり、浦和はホームでサガン鳥栖に0−2の完敗を喫した。無論、鳥栖は全力で浦和を叩きに来た結果であり、勝利に値するパフォーマンスではあったが、後半の2失点に象徴されるように、浦和の疲労は目に見えるものがあった。
(取材・文/河治良幸)
(後編に続く)