■「11分の7」の反応
さて、PK戦ももつれにもつれ、10人目のGK同士の対決にまで持ち越された(柏の古賀太陽が故障していたためキッカーをはずれたため、PK戦は10人ずつで行われた)。
10人目には川崎のGK鄭成龍がゴール右上隅に素晴らしいキックを決め、直後に松本のキックをストップしてヒーローになった。
だが、PK戦における松本健太のパフォーマンスもぜひ記憶にとどめておきたい。
松本は、PK戦でやり直しを含めて11本のキックを受けたのだが、なんとそのうち7本のキックに対して正確に反応していたのだ。
絶体絶命の5人目と6人目にゴミスと登里享平のキックをともに正確に反応してセーブした。また、2本目では瀬川祐輔のキックを止めて見せた。ここは、キックより早くゴールラインを離れたためにやり直しとなったものの、一度はキックをストップした。
また、1人目の家長昭博、9人目のジョアン・シミッチのキックも、ゴールを防ぐことはできなかったものの正確に反応して手には当てているのだ。
松本のキックに対する反応の仕方を見ると、情報にも基づいて飛んでいるのでもないし、勘に頼って飛んでいるようにも見えない。相手のキックの動きを見て、正確にコースを読んでいるように見える。素晴らしい反応だった。
彼が今後もPKストップの技術に磨きをかけていけば、PK用のGKとして日本代表に招集してもよいかもしれない。