Ｊ１北海道コンサドーレ札幌ＭＦ小野伸二の現役ラストマッチでの、隠された名場面が明かされた。サプライズでの日本代表同士の邂逅に、驚きと感動の声が広がっている。
２０２３年シーズンは、Ｊリーグのファンにとってさまざまな思いが積もる１年となった。ヴィッセル神戸のＪ１初優勝などのうれしいニュースが飛び出す一方で、このシーズンを最後にスパイクを脱ぐ名手たちがおり、ファンにとっては寂しさが募ることになった。
今季限りで引退を決めたひとりが、小野である。プロ入り前からその才能は広く知られ、見る人を常に楽しませ続けた。
１２月３日の札幌の最終戦では、粋な計らいがなされた。ペトロヴィッチ監督は先発の１１人の中に、すでに引退を発表していた小野を送り込んだのだ。
前半２２分に交代で退くまで、最も多くの視線を集めたのは小野だっただろう。その期待に応えるように、１タッチでの絶妙パスなどを繰り出し、最後まで観客を魅了した。
試合後にも感動的なセレモニーが行われ、小野もスピーチでは声を詰まらせるシーンがあった。相手は奇しくもプロキャリアのスタートを切った浦和レッズであり、札幌ドーム中が小野への称賛と惜別の拍手を送った。
その会場を、サプライズで訪れた人物がいた。日本代表では小野の後輩にあたる吉田麻也である。
吉田は現在アメリカでプレーしており、ＭＬＳはすでにレギュラーシーズンを終えている。プレーオフに進めなかった吉田らＬＡギャラクシーは、一足早くオフに入っている。
日本代表のキャプテンも務めた男となれば、多くのファンの目につく場所で小野と触れ合ってもよかったはずだ。だが、１２月８日に自身のＳＮＳに投稿した写真によると、吉田はピッチの出口の脇でダークカラーのジャケットなどに身を包み、ひっそりと小野を迎えたようだ。
