■家長昭博に任せる理由
一方でネガティブな面とは、外したときにその選手がその後のプレーにまで影響を受けるということ。「いろんな責任を負って行かなければいけない。いい面だけを見れば決めた選手が乗っていけますけど、逆に、外した時はその後に影響するほどの重みがある。そこをちゃんと背負って行けるか、外しても調子を保てるか」と話すものだ。
さらに、「ビッグゲームで蹴る意味は、蹴った人にしか分からない」とし、そうした押しつぶされそうなプレッシャーの中で大勢の視線を浴びながらＰＫを蹴れば、「経験のない選手であればグラウンドのコンディションにも大きく影響を受けて全然違う方向に飛ぶかもしれない」ともいう。
「その１試合だけに限らず、翌日、翌々日でも引きずっていかなければいけないです。それだけキッカーには重みがある」と話すからこそ、「アキはどんな状況でもたんたんとプレーしていきます」と家長昭博への信頼を口にしていた。そんな家長でも失敗することはあるが、「１回や２回の失敗がどうこうの話ではない」とも言う。
そういう意味では、現在、脇坂泰斗にＰＫキッカーを任せているが、それだけ脇坂が精神的な成長を遂げたと指揮官が判断した証でもある。
