■久保建英が語る伊東純也
「伊東選手はすごいスピードがあるし、僕も(ソシエダでは)ウイングなので、何したいかっていうのはだいたい分かっている。僕からしたらハッキリした特徴を持った選手なので、一緒にプレーするのが簡単ですよね。僕がトップ下にいて、右に伊東選手がいる方が相手からしたら脅威なのかな。自分が右で勝負したい気持ちもなくはないけど、もったいないかなと思います」
10月のチュニジア戦(神戸)の後、久保は伊東との共存を大いに歓迎していた。それまでは「伊東のサブ」という位置づけに甘んじていたが、鎌田大地が新天地・ラツィオで予想外の苦境に陥り、南野拓実(モナコ)も第2次森保ジャパンでは後からメンバーに加わった選手ということで、現状では久保がトップ下のファーストチョイスと位置づけられている。
ならば、本人としても、試合に出られる今の立場を前向きに捉え、右の槍である伊東を生かしながら自分も生きた方が得策だと考えたのではないか。幸いにして、右サイドバック(SB)も中学生の頃から年代別代表で長く共闘してきた菅原だ。彼を含めた「右のトライアングル」でアジアは制圧できるという手ごたえと自信を深めたのではないだろうか。
シリア戦の日本は結局、菅原と細谷真大(柏)もゴールを追加し、5-0で勝利。久保が代表29試合目にしてようやく公式戦初得点を挙げ、伊東も4アシストという驚異の記録を残した。違いを作れるこのコンビは当面、代表攻撃陣を力強くリードしていくはずだ。
(取材・文/元川悦子)
(後半へ続く)