■大岩監督の叱咤激励に後押しされて

 アルゼンチン戦に関しては半田からすると、内野貴史(デュッセルドルフ)の負傷離脱も出場チャンスにつながったが、ピッチに立てばそうしたことは関係なく、右サイドバックのポジションから高い位置のプレスを支えて、攻撃では右ウイングの三戸舜介と連動して、右サイドから多くのチャンスを作った。前半16分にあげた佐藤恵允(ブレーメン)による先制ゴールも、三戸と半田が積極的に仕掛けて、ボールを失った直後の即時奪回が導いた流れだ。

 自陣のミスから同点とされて、後半の立ち上がりには中盤で相手ボールになったところから裏返しでFKを与えて、相手10番のアルマダに鮮やかなゴールを決められた。しかし、そこから「ミスを恐れることがミス」を掲げる大岩剛監督の叱咤激励に後押しされて、選手たちは前向きに反撃していく。そこで立て続けに大きな仕事をしたのが半田だった。

 日本の同点ゴールは中盤で藤田穣瑠チマが奪ったところから一度下げて、センターバックの西尾龍矢を起点に、右外でボールを受けた半田陸が、鋭く相手ディフェンスの間を通す中央へのパスで、鈴木唯人の見事なゴールをアシストした。「ファーストタッチもいいところに置けたので、あそこ(鈴木がフリーになれるスペース)も見えてました」と振り返る半田は逆転ゴールとなる日本の3点目もアシストした。

(取材・文/河治良幸)

(後編へ続く)

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