【大迫勇也が優勝王手の神戸にもたらしているもの(1)】「ロストフの悲劇」を教訓に抜け目ない浦和戦の決勝弾。「冷静に判断できた」と振り返った、頭抜けた戦術眼のプレーの画像
ヴィッセル神戸の大迫勇也 撮影:中地拓也

 J1自動昇格2枠が町田ゼルビア、ジュビロ磐田に確定し、J2昇格の1枠も愛媛FCに決まるなど、最終盤を迎えている2023年Jリーグ。J1優勝争いの方は、3戦残してヴィッセル神戸、横浜F・マリノス、浦和レッズの3チームに絞られていた。

 11月12日の第32節では、キックオフ時間の早い横浜がセレッソ大阪を2-0で撃破し、一足先に勝ち点3を加算。浦和と直接対決に挑んでいた神戸にプレッシャーをかける形になった。前半終了時点でスコアレスの神戸にしてみれば、是が非でも堅守・浦和のゴールをこじ開けなければならなかった。

 そういう中、神戸は後半27分、リスタートの流れから大迫勇也の折り返しに反応したマテウス・トゥーレルが打点の高いヘッドで先制。しかし、浦和も後半ロスタイムにホセ・カンテが意地の一発をお見舞いし、1-1のドローの様相が濃くなった。

 時計が94分30秒を指した時、浦和がセンターサークルに近い右タッチライン際でFKを得た。残り時間は1分半。西川周作は「ここで負けたら優勝がなくなる」と自ら判断してゴール前に上がった。

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