「16強の壁」突破へ日本に有利に働く「地の利」【若き日本代表、U17ワールドカップでの挑戦】(3)の画像
若き日本代表がU-17ワールドカップに挑んでいる(写真はイメージです) 撮影:中地拓也

 サッカーのU-17ワールドカップがインドネシアで開幕した。日本はセネガル、アルゼンチン、ポーランドとのグループDに入った。1-0で勝ったポーランドとの初戦、そしてこれからを、現地取材中のサッカージャーナリスト・後藤健生が読み解く。

■セネガルの強みと課題

 アルゼンチンが典型的なアルゼンチン・スタイルだったとすれば、身体能力を生かしてトリッキーなプレーを見せるセネガルは、典型的なアフリカン・スタイルだった。

 守備の組織には雑なところもあり、FW陣はあまり守備には貢献していない。反則が多いのも、アフリカ的。アルゼンチンの唯一の得点も、アディショナルタイムに入ってから、フランコ・マスタントゥオーノが直接FKを決めたもの。前半にも、アルゼンチンにはFKのチャンスがあったが、3度ともエチェベリがふかしてしまっていた。

 守備の規律こそが、セネガルの課題なのだろう。

 フル代表クラスになると、ヨーロッパのクラブでプレーしている選手がほとんどなので、代表もヨーロッパ的なプレーをすることが多いが、17歳以下の選手たちはほとんどが自国のクラブでプレーしているので、各国のスタイルがそのまま出てくるのかもしれない。

 そういえば、緻密なパス・サッカーをしてチャンスは作り出すものの、なかなか決めきれなかったポーランド戦の日本代表も、典型的な日本の姿だったのかもしれない。

 だが、せっかく多くの強力FWが揃ったのだから、そうした日本サッカーの壁を破ってほしいものだ。緊張感も取れる2戦目以降に期待したい。

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