J2ヴァンフォーレ甲府のFWピーター・ウタカが今季12点目を決めた。39歳とは思えぬゴールに、衝撃の声が広がっている。
甲府は11月3日、JITリサイクルインクスタジアムとロアッソ熊本とJ2第40節を戦った。J1参入プレーオフ圏内の6位につけているものの、7位のモンテディオ山形には勝点で並ばれており、11位のザスパクサツ群馬まで4ポイント差と、気の抜けない状況が続いていた。
前半は互いにゴールがないまま終えたものの、ハーフタイム明けから交代でピッチに入っていたMFゴールで後半13分に先制。だが、時間は多く残されており、昇格争いと同様に、緊張の時間が続いた。
1万人が集まったスタジアムで、甲府のファンに安心感を与えたのがウタカだった。後半26分に交代出場すると、そのわずか4分後、待望の追加点を奪ったのだ。
甲府陣内でDF井上詩音がボールホルダーに激しく寄せると、その攻撃的な守備でボールは相手陣にいるウタカへと渡った。受けたウタカは前を向き、2度のタッチでボールを前に運ぶ。続いてパスを選択したかに見えたのだが、実は個人での突破だった。DFの脇にボールを通して相手の目を引きつけ、自身はその背後から抜け出す、いわゆる「裏街道」だ。
見事にDFを抜き去り、ボックス内で再びボールとランデブー。スライディングする別のDFをかわし、滑らかにシュートへ持ち込んだ。一度はGKに防がれたものの、落ち着き払ってこぼれ球を叩くと、ゴールネットが揺れた。